繋いでゆく家を目指して・・・
日本では古来より、建築材は再利用されるものとして捉えられており、つまりそこには循環型の建築文化が根付いていました。 たとえば、古民家を解体・リフォームしていると、そこに使用されている梁や柱の中には、それ以前の建物であった、さらに古い建築材をみかけることが多くあります。そこには、モノを大切に扱い育んでいく文化があり、世代を超えて想いを伝え、そして先人たちの想いを受け継いでいく思慮があり、そしてまた、古き良き大工職人の技術と情熱を垣間見ることができます。 現在は殊更に効率化が叫ばれて久しい時代です。 接合部分やプレカット工法による家づくりが大多数を占めるようになり、今や職人が自らの手で柱を刻むことは随分少なくなりました。しかし、効率化を追い求めてきた裏側で、私たちの物事への関わり方は、私たちの人間と環境の関係性にどうしようもない弊害や鬱積、戸惑いが生まれているのもまた事実です。 現代を生きる工務店として、私たちは環境的つながり、世代を超えてゆく人々のつながりを実現できる家づくりを目指し、そしてまた、ひとりの大工としても家づくりを通じて環境のこと、物事への関りのこと、仕事をするということ、ひいては私たち同士の関わりにおける何らかの気づきを施主様とともに共有していけたら・・・と願っております。
